モデルグラフィックス風(笑) 管理人:ひらり
最終更新:2001年3月10日
HPのトップをきちんと作りました。きちんとじゃないけど。

解像度1024x768以上だとうれしいです。
ごめんなさいメチャクチャ重たいですm(_ _;m

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A.E.U.G./アナハイム エレクトロニクス
全領域汎用試作モビルスーツ MSN-00100 百式

 アナハイムエレクトロニクス製汎用試作モビルスーツ。M.ナガノ主任チームによる設計で、当初はTMS(可変モビルスーツ)試験機として開発されていた。機体フレームは、エプシィガンダム(長期プロジェクトによる小型核パルス推進システム"ブラッサム"試験機)用として開発されていたものを転用したもので、TMSの主要構造(RX-178の設計を応用したムーバブルフレーム構造、ウィングバインダー機構等)の試験に用いられていたが、開発は難航し、エゥーゴの要請により急遽通常型モビルスーツとして完成されることとなった。実用評価試験終了を待たず実戦配備されたため、アーガマ搭載機は金色コーティングによる実験塗装がそのまま採用され、本機のトレードマークとなった。
 機体の基本構成は、U.C.0087当時における初期のムーバブルフレーム構造であるが、前作リックディアスの技術を応用しながらも、より洗練された設計となっていることがそのスマートな姿態に現れている。空間戦闘で航空機以上のG荷重を受け、またAMBAC(能動的質量移動制御)を多用するMSでは、機体フレームの剛性は機動性に直接影響する。本機上半身フレームは一見複雑華奢だが、ガンダリウム合金を用いて可変機構を考慮にいれた強固な設計が施されており、実戦で発揮された高機動性からも明らかなようにかなりの剛性を誇る。

 通常の四肢のほかに、作動肢として背部両肩にウィングバインダーを装備している。このバインダーはそれ自体姿勢制御バーニアを持つほか、内蔵するプロペラントの質量によってAMBACを用いたピッチ(連動)/ロール(差動)制御に貢献し、本機に高い機動性を与えている。脚部構造などは一部駆動系及びフレームが剥き出しとなったままで、実験機の一面が伺えるが、懸念された対弾性能低下は報告されず(ガンダリウム製フレームの利用やパイロットの高い技量による)逆に軽量化に有効だった。

 外板は一部にガンダリウム・コンポジット材による複合装甲を採用し、胴体ブロックや基本フレームはガンダリウム/チタン合金を用いて真空鍛造・定温溶接によって製作されている。コックピット周辺は多重装甲化されており、機動軸の鉛直面にあたる胸アーマーは重重量のガンダリウム合金製、また乗員ハッチは3重のアーマーとして設計されている。
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試験中の機体らしく、アビオニクス収納のため頭部は前後に長めにアレンジ。 同様に、アクセスハッチを各所に設け、首周辺もパイプ類が剥き出しのまま。
クリックで巨大画  本機を駆動する発電ジェネレータとしては熱核反応炉一基を内蔵し、バックパックの熱核ロケットエンジンによる余剰出力と合わせて1850KW(ミリタリー)を発揮する。しかし、後にオプション兵装として試用されたメガ・バズーカランチャーの発射時は、出力不足により単独でのチャージに問題が生じている。スラスターはバックパック、肩上部、脛部に計8基をもち、合計推力は約74,800[kg]、重量推力比は1:1.37となる。

 その他の特徴として、本機の実験塗装による外装色が挙げられる。当時、宙間用モビルスーツは侵攻・戦闘機の場合は低視認性のダークブルー系迷彩塗装(いわゆるティターンズカラー等)や彩度を抑えたライトグレー主体の塗装(GM系など)、拠点防衛・迎撃機では運用上の利便性を考慮して低コスト塗料による識別色単色塗装+フレーム未着色が一般的であった。しかしながら本機の金色塗装は、レーダー波減衰効果及び近接宙間戦闘における幻惑/距離感低下を狙ったプラスティックコーティング技術の一種である。そのため、宇宙塵から保護された機体表面は異様なほどの光沢を保っている。プラスティックコーティング自体は、通常モビルスーツにおいても主にモスポール(長期保存)時に利用されているが、実戦機としては重量増加や整備上の問題が多く(被弾時はセクション全体の再シーリングが必要だった)、他に採用された例はまれである。
マスクはあくまで精悍なイメージに仕上げる。 肩フレーム上部のパイプ付け根部は、いわゆる新井ちゃんディティールを気持ち程度に。 胸正面装甲上版は、アナハイム社の広告キャンバス。 「VMsAWrs」ロゴはセンチネル設定による。
 武装は、固定兵装として頭部に60mmバルカン機関砲x2を内蔵し、標準外部兵装として腰フレーム後部にビームサーベルx2をもつ。両ウィングバインダーにはハードポイントx1を持ち、ビームライフル、クレイバズーカ等を携帯装備できる。これらはリックディアス用の装備と共有でき、運用上の柔軟性を持たせた点は同時期のティターンズ/連邦軍機と対照的である。また、遠射専用兵器として、戦艦級の出力を誇るメガ・バズーカランチャーの運用能力があり、火気管制システム及び索敵レーダー/センサーとのリンク機能を持つ。 クリックで巨大画
可変機を意識したフレーム構成を設計してモデリング。 装甲のスライディング機構等はセンチネル流に。 ビーム兵器運用能力を考慮して、パワー系統やエネルギー接点も丁寧に作成している。
肩はユニット構造を明確化し、ショルダーアーマーも大幅に形状変更。 スラスターユニット上部は側面カメラと肩幅灯。  MSN-00100は、エゥーゴ宇宙艦隊所属強襲揚陸空母アーガマに最初の機体(及びメンテナンス予備機)が配備され、RMS-099、RX-178、後にはMSZ-006とともにガンダム・チームを構成した。アーガマ搭載機はクワトロ・バジーナ大尉搭乗によって、グリプス戦役を通じて通常作戦機/指揮機として活躍したが、メールシュトローム作戦〜コロニーレーザー攻防戦においてアクシズのAMX-004キュベレイに撃破された。戦後、アーガマの再擬装・装備補充に伴い一機が再配備され、第一次ネオジオン抗争に参戦し、後に搭載艦はネェル・アーガマに変更となっている。  実験機ながらも実戦で高い評価を得た本機であったが、その運用コストは高く、アーガマ級以外のメンテナンス設備の整わない艦への装備は困難であった。また戦時下の急速な技術革新の流れの中でたちまち旧式化し、他の多くの実戦参加試作機と同様その量産計画は見送られた。対ネオジオン戦の終結により、実戦配備された最終号機はU.C.0090までに退役している。

 なお、エプシィガンダム/百式の基本フレームは数体が確認されており、MSZ-006Xプロトタイプ・ゼータガンダムとして引き続きTMS試験機として用いられたものや、検討された数種の派生型の技術開発プラットフォームとなったものも存在した。これら一連の開発試験によって得られた技術成果は、MSZ-006ゼータガンダムを始めとする後続モビルスーツの開発にフィードバックされた。
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 本機の直接の発展型として有力なものにMSR-100S百式改がある。これは、MSA-003ネモ、MSA-005メタスの後継機種案の一つとして計画されたもので、フルアーマー案やカラバにおける陸戦装備案も計画されたが、ティターンズの新型可変機に性能的に劣ると判断され、いずれも実機開発には進んでいない。後にエゥーゴはMSA-007ネロ、RMS-099Bシュツルムディアス(政権がエゥーゴ主導になった後のためRMSナンバー)を採用し、カラバはMSK-006ゼータプラスを装備している。このほかにも百Neu等いくつかの発展型が提案されたが、ペーパープランに終わっている。
 また、アナハイム社内では一連のガンダムタイプ/高性能モビルスーツ開発計画に便宜上の名称としてギリシア文字を関した開発コードを与えており、γガンダム(MSA-099)に続くMSN-00100はδガンダムと呼ばれている。
SPECIFICATION

全高:20.6m  頭頂高:18.5m
本体重量:31.5t  全備重量:54.5t
パワージェネレーター出力:1,850KW
主スラスター総推力:18600x4kg
姿勢制御バーニア:12器
センサー有効半径:11,200m
装甲材質:
  チタン合金セラミックス複合材
  +ガンダリウム・コンポジット
固定兵装:
  60mmバルカンx2
  ビームサーベルx2
オプション:
  ビームライフル
  クレイバズーカ
  メガ・バズーカランチャー
ロールアウト:U.C.0087
生産数:2(+予備機3)

■製作記事■
●はじめに
 ストーリー的にも機体のカッコよさ的にも人気のある、百式です。テーマは「自分なりのカッコいい百式」。いわゆるリファインです。
 基本形状を六角大王Super2にて作成し、筋彫り等表面処理やこまごました部品をShadeで追加し、同じくShadeでレンダリングしました。全身を作るには気力体力が足らず、バストアップモデルです(バックパックも無いけど)。
●頭

六角Superでだいたいこれくらいまで作り、あとはShadeにもっていって続きを作成。
 まず図面を引きました。最初はとりあえず頭だけ作りたかったので、頭のデザインから起こしていきます。アニメーション設定画を参考に、内部の構造とか面のつながり方を考えつつ、Zとか後のMSに発展していったんだよ〜みたいな味を忍ばせるようにデザインしました。どう見てもセンチネルMS的なバランスとタイミングは、10年前のセンチネルの呪縛から離れられないでいることの証(笑)

 顔面はきわめてシャープに、クワトロさんのイメージで。ヘルメットもマスクに向かって絞り込むように。基本構造は、カメラ・センサーの集中するセンター(とさか)セクション、それを取り囲むように基本骨格セクション、冷却系・バルカン類のアウターセクションの3層構造をはっきりさせます。カメラ・アイのグラサンはやや小さく大人しめに、真っ黒でなくディープパープル。アニメのひし形のままだとちょっと、ニヒルでダンディでスマートな顔が表現し難かったので、オデコラインがやや水平気味になるよう目周辺の輪郭形状を変更します。

 その他、オデコのクリスタルは小さめのレドーム入れてます。なるべく元の設定にあるモノは意味のあるように再設定しようという考え。とさか最上部にある小さいのは頭頂高識別灯。小さすぎ。また、精密機材の集中する頭部なのであちこちにアクセスハッチを。カメラを引いたときにつぶれないように筋彫りは太め。注意書きも気持ち多めにしておくと。

 おっと大事なことを忘れていました。今回筋彫りは実際に論理演算で筋を彫っています。普通はバンプマッピングでやるんだろうけど、(1)マップ用画像が多くなりすぎる(2)どうしても彫りが浅く見えてしまう(3)直接オブジェクト編集するほうが形状にフィットさせやすい、といった理由でShadeの疑似集合演算を使ったわけです。

 首は、いかにも試作機臭くパイプ類ぐちゃぐちょに。完成(量産化)された際にはきれいにフェアリングで覆われることでしょう。また首付け根付近から胸や肩へは、可変MSの試験機であることを意識して複雑にフレームデザインしました。いかにもひとクセ有りそうな感じにするのがミソ。
胸前面装甲〜腹部にかけては、構造を大幅に変更。 コックピットハッチ周辺は装甲の重なり具合をより強調してモデリング。 ちょっと絵がキタナイのは、作りこみの足りなさをごまかすためではありません(爆)
●胴体
 これも図面から描き起こします。アニメーション設定の百式は、肩口=脇の部分と胸前面装甲とがいつのまにか融合してますが、リックディアスの設計を発展させたという設定を生かすために、装甲を外からかぶせたような多重装甲デザインに変更してます。この前面装甲は、ありがちな穴あけとか筋彫りで装甲強度を減退させちゃうようなことはしないように、ディティーリングは最小限のロック機構とフックもどきで済ませます。胸前面装甲の上面、顔の前の白いパネルは、なんとなく趣味で白くしちゃいました。アクセントカラー。丁度良いキャンバスになったので、試作機特有の自己主張メッセージを書いときます。エゥーゴはアナハイム出資だからか、妙に派手です。「VMsAWrs」(バリアブル・モビルスーツ・アンド・ウェーブライダー・システム)は、アーガマへの配備の時はまだ存在しないプロジェクト名かもしれないけど、まぁTMS試験機だし格好良いのでいれちゃいます。

 そして、胸、腹、腰にかけて存在するであろう内部のフレームを考慮にいれながら、ユニット分割をより明確にデザインしていきます。気持ち変形しそうに。肩口のユニットは上面にバックパックへつながるパイプがついてますが、その付け根部は地獄の新井ちゃんディティール(笑)を彷彿とさせるアンテナもどきをはやしてます。意味はありません。埋め込みの吊り下げフックも作りました。白いアンテナはVHF無線とか。なんでこんなところに付いてるかは不明。この肩口ユニットと胸前面装甲の接点の床には、バリュート装備用の取りつけ金具が。いかにも現場で取りつけたかの様に唐突に。

 腹は元々多重装甲なので、重なり具合が明らかになるように再設計。でもまだぜんぜん作りこんでなかったりする(^-^; 
●肩
 かなりデザイン変更しました。大スケールで製作したときに間が持たなくなるのと、形状的に意趣を深める為に。バランスは元設定同様ヒーロー性重視でいかり肩になるようにします。肩アーマーは六角大王のサブディビジョン・サーフェスで、再分割が細かくポリゴン数が膨大になり、後々まで作業に差し支えました。

 まず、肩接合部のフレームとバーニアユニットを分離します。フレームはフレームらしく頑丈に、バーニアは外装フェアリングっぽく見えるよう表面材質やディティールで差別化を図ります。接合部フレームは一般的なZ系MSの形状で、接合部は支持アームとシャフト、油圧系パイプ・電力系ケーブル・データリンクケーブルなんかを配置。可動部なのでゴチャゴチャさせすぎないようにします。でも関節自体は、必ずしもロボットとしてつじつまのあった設計ではありません、面倒臭いので(爆) 白いバーニアユニットは、内部のバーニア系を密かにモデリングしその上からフェアリングをかぶせる感覚で。色はまたもやアクセントカラーですが、実は金色のままだと肩が異様に巨大に見えてしまいます。ノズル(の外縁)は火炎警告+肩幅警戒のため赤。あと、ユニット上部には側面用カメラと肩(翼)端灯がついてます。小さいアンテナがついているのは、有線のデータリンクケーブルが断線しても無線通信できるように、でしょうか? 説得力ありません。

 肩アーマーは、最初に平凡な基本形状があって、そこから削り取ったようなイメージでラインを作ります。実際にそのように加工することはまず無いのですが、このサイズだとデザイン的に細かな処理が必要になったので。胴体側の上面から外側へ下るなだらかなスロープは、デザイン上の特徴なので何度も図面を引いて美しくなるよう調整しました。腕接続部に切り欠きを作るとバランス的に気持ち良くなります。その肩装甲は、脇と最外部に姿勢制御バーニアが仕込んであります。設定で赤く三角の穴があいていたので、多分姿勢制御バーニアなんだろうと判断しました。違ったらごめんなさい。

 上腕の外側のフェアリングは、適当です(笑)。そのわりに肩アーマーは裏面を処理していたりする(笑)
肩内部・首周辺は見えないところもコツコツとモデリング。 肩装甲は実際の金属製品を参考に肉抜き。 ただしコンポジット材なのでこれで正解と言えるかどうかは疑問。 なんで肩のあんなところにブレードアンテナ(しかも翼断面!)があるのかも不明(笑)
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サブディビジョンサーフェスによる肩アーマー。元の枠と、再分割後。 こういうことやってるとレンダリングに時間がかかってしようがない・・・ 自由曲面で挑戦しましたが、しわだらけになりました(T-T)

●腕
 バストアップモデルとしたときにちょこっと見えちゃうので、一応作ります。これもデザインを描き起こしました。下腕の大きさは百式の特徴なので、上腕を細めにして強調しました。下腕は、なんらかの可変機構の実験だったであろう形状を意識して、ラインを作りなおします。例えば手首はZZの構造に近いとか。ここらへんから、基本形状の製作もShadeでやっていきました。

 肘関節は、パーフェクトグレードなんかで流行の二重関節にしています。嘘っぱちでシリンダーも入れてますが、ほとんど見えません。肘を大きく曲げると、上腕外側のデコッパチフェアリングが徐々に下がってきます。スペリオルガンダムで叩き込まれた、ムーバブルフレーム構造の特徴の一つを表現してみました。上腕に関しては割と薄め軽めに見えるようにディティーリングしています。小さな穴は関節のメンテナンス用で、現存の機械のように油抜き穴だったりインジゲータが見えたりするんだと思います。
隙間から見えそうなところや形状に説得力が必要な部分は、 バランス取りも兼ねて内部ムーバブルフレームをモデリング。 コレも、必ずしも機構として動作するものではなく、あくまで装飾の一種に抑える (でないと美しい元デザインが破綻してしまう)。
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 下腕は、百式特有のもっこりしたイメージを崩さないように、ユニット分割と機構上の意味付けをしていきます。肘関節アクチュエータの出っ張りも丁寧に面を作りました。元デザインにある赤い円穴は、ちょっと意味付けが難しかったのでゴチャメカでお茶を濁します。親父ギャグ。下腕の外側にはハードポイントがあります。背部バインダーの兵装ステーションもきっと同規格なのでしょう。

 手首ユニットは、先に述べたとおりZZみたいに動きます。ただし設定画どおりのパイプ類がごちゃごちゃ入ってるので、変形はできそうにありません。メガ・バズーカランチャーなどへのエネルギー供給系が必要だったので、スペースにゆとりが無くなったのでしょう。図ではほとんど見えませんが、手首付け根は新井ちゃんディティールが集中してます。手首自体は、一般的なMSと一緒です。ただ、やはりスケールが大きいのでホールド感や兵器との連結を考慮したデザインを行っています。人差し指の付け根の出っ張りはいつ頃からデザインに現れるようになったのか記憶にありませんが、とりあえずトリモチランチャーはここに入れました。トリガーを引くためのふくらみなんでしょうね、元々は。
●腰から下
 そもそも製作を始めた目的が卒研最終段階での現実逃避のためだったので(笑)、最初から完成は見込んでいませんでした。腰からつま先まで、一応外形はできていますが、腰アーマーなんかは作ってません。ディティールも施してません。
 とりあえず、アニメ設定画のごついプロポーションを基本に、足が長く腰の高い現代的なバランスに整えています。「リックディアスから発展」「MkIIのフレーム構造を応用」「より新化してスマートに」を考えたとき、胸を張って四肢は筋肉質、でも着やせするよ(笑)というプロポーションに行きつきました。 腕はでかいし、足首も太いです。
腰まわり、背部の存在しないスカスカの百式。 せめてバックパックまで作ればバストアップでもそれなりに見栄えがしたんだけど・・・ 
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●色
 アナハイムで完成してすぐ、アーガマ配備直後を想定しています。色がきれいなのもそのせい。決して汚しが面倒だったからではないです。断じて違います(笑)

 百式といえば金色。こんな兵器実在したら恐ろしいですが、これを止めたら百式じゃ無くなるのでそこはめいっぱい輝かせてやります。よくお菓子の小袋の口を縛っている針金入りの薄板ありますよね(激謎)、金メッキのやつ。あれを参考に表面材質を作りました。ライティングもメッキ感最優先にしたつもりだったんだけど、なんかイマイチ黄色っぽいなぁ。レンダリングはヘタクソです。ちなみに金色の装甲の裏側は赤です。ややピンクに近い、彩度を下げた赤。きっと金が剥がれ落ちたときは、赤い百式になるのでしょう・・・

 機体各所の白はアクセントカラー。ガンダムみたいに派手なトリコロールでは無いけれど(金自体は派手スギ)、その黄色や赤と効用は同じです。フェアリングとかパネルっぽさを出すように、純白ではなくやや金属くさい青み掛かった白を、色と光で表現します。胸上面のパネルは、本来ならカメラの目前なのでつや消し黒とかが良いんだろうけど(現に肩横カメラ前はつや消し塗装にしました)、ここはデザイン的にキレイなので白です(爆)
 ダークグレーのフレームは、放射熱で焼けたのか焼き入れのせいなのか、はたまた金属色なのかイマイチわかりませんが、定番なのでつや消しグレー。胸前面装甲は同系統だけどつや有りで、材質の違いを表しています。
 それから、金と白には表面にわずかにShadeの「凸凹」バンプマッピングをかけています。現実に、航空機や戦艦、宇宙船などの大面積の金属表面は理由は様々だけどボコボコしてますよね。そもそもTMSの設計思想が「高速で回避」なんだから、装甲はそこそこの厚さだし(強度が無い、という意味ではない)、構造材の最表面も意外に薄いのでしょう、という考え。MSの場合これはコンポジット材の展性の違いで起きるしわしわなのかな?

 ちなみに、一般に誤解が多いのですが、モビルスーツでは(一部を除いて)アーマーの厚さ=装甲材の厚さなんてことはありえません。そんなことしたら重量過多になってしまうし、材料ももったいないです。全高20メートルもある機体が同じ全長の現存航空機の2倍程度の重量に収まっていることからも明白です。
 ガンダム世界の装甲の設定では、ガンダリウム・セラミック・その他金属/非金属類のサンドイッチ材を基本に、対弾性能が必要なコックピット周辺のみ厚板の装甲板を用います。いわゆるアーマー等は箱型、必要な部分は内部ハニカム構造。箱の中はさすがに空ではなく隙間は諸装置や燃料タンクが入ってます。頭部などは単なるフェアリング程度と考えたほうがよさそうです。カーボンFRP(炭素・強化繊維プラスチック)も未来には大々的に使われているかもしれません。
 「センチネル0079」で見せたカトキ先生のザクなんかは、安価な金属材料の鍛造+溶接成形をうまく表現しており、MS装甲の観点からまさしく傑作といえるんじゃないでしょうか。
●マーキング 作例で使ったデカール、もといテクスチャ類。有り合わせのフォントで適当に作成。 こういうのは雰囲気が大事。
 エゥーゴのMSは空母をベースとしているので、なんとなく宇宙軍=海軍かな、と思い実機を参考に。 ところで「大尉」ってルテナン?キャプテン? 右肩に書いてある「AG101」はアーガマ所属第1MSスコードロン1号機、みたいな意味なんでしょうか。適当です。エゥーゴマークはロービジ(になってないけど)で控えめ。左肩の「百」はスポンサーの宣伝ですが、実戦配備されればたちまち消されたことでしょう。設定では両肩だけど(違ったりして)、ややウルサイので反対側は社名を書き入れます。その社名も「A.E.U.G.」より上にきているあたり、頭が上がらないことの悔しさ全開です(笑)

 胸前面装甲には、左上にほとんど見えない文字で「エゥーゴ宇宙軍 第1空母戦闘団 アーガマ 1St.MSスコードロン」、右下には「1号機」と「クワトロバジーナ大尉」と書いてます。ここらへんもアメリカ海軍機のノリで。本当なら「U.S.S.AGAMA」としたいところ(笑) 「01.」はセンチネルフォントです。 コーション等の機体各所のマーキングは、スケールが実際の兵器に合うように大きさを考えます。それでも気持ち大きめですが、プラモや一般のガンダムCGのマーキングは人物に対してでかすぎるように思います。肩の「百」はデカくて大いに結構。

 ちなみに「type/100」ですが、なんでスラッシュが入るのかというと・・・適当です(爆)  なんとなくアクセントになりませんか? ハンドレ・ページ O/100(爆)
●シーンとかレンダリングとか
 さて、モデリングが終わったらレンダリングですが、見てもわかるとおり某模型雑誌風です(笑) ネット上ではダイオラマ風とか、いわゆるセンチネル・フォトストーリー風とか、真っ暗とかが多いですが、 とりあえずこんなのもアリだろうと思い、模型撮影に準じたシーン設定にしてみました。

 ライティングは、まずなにも考えずに太陽をひとつ。 環境光は抑えて、かわりにスポットライトをいくつか作って徐々に光量を上げます。 そして、金ピカ感を際立たせるためにいろんな色の点光源を周囲に配置します。 機体の左側を撮影することが多かったので、点光源は左側に集中して配置。 とにかくメッキ表現が際立つように心がけましたが、なんかイマイチ。

 また、その金メッキを金メッキらしく見せるために環境マッピングを。 百式本体の前方に機体の5倍くらいの半球を配置し、レンダリングで丁度機体に反射して見えるよう回転します。 その半球に、NASAのHPから拝借してきた月の画像をマップ。反射率は0にします。 オデコや肩アーマーに反射しているシマシマ模様が月面です。

 レンダリング方法は、Shadeの分散レイトレーシングを用いています。反射回数は多めに6〜8回。重いです。ちなみにページ先頭の大きい画像をレンダリングするのに、ネットワークレンダリングで10日程かかりました。
●おわりに
 主役級のガンダムはネット上でも大量に見かけるために、自分はひとひねりしたものを作りたいなァと思っていたところ、丁度目に入った百式を製作することにしました。アニメ設定を見て、自分流に格好良くなるよう大幅にデザインを変更しましたが、どんなもんでしょうか。

 製作を開始したのは、たしか2000年9月頃だったと思います。現在の状態になったのは10月末頃だったかな? 研究室の空きパソコンを最大限に利用して(笑)、ネットワークレンダリングしまくりましたが、研究が忙しくなり作業中断。その後、研究も一段落ついたので久々にいじろうかと思ってたら、なんとバンダイからMG化! そうこうしてるうちにGW誌にも百式が! もう自分が作ることもないな、ということでここで終了することにしました。いやそれ以上に、当時の製作環境(大学ではモデリングはやってません)は3Dアクセラレーションがほとんど無いビデオカード+低速CPUだったので、パースを変えるだけで30秒待機という、現在の3DCG事情におよそそぐわない状態だったのも製作断念の一因でした(現在はSavage2000導入でちょっとマシ)。

 普通なら大まかな形状で全身を作りそれから各所のディティールを作っていくんだろうけど、せっかちな私は頭だけ完成させ、それからついでに体を作っていくという計画性の無さ。案の定完成しませんでした。次にCGを作る機会があれば、始めからバストアップモデルと割り切るか、きちんと計画を立てようと思います。

 最近ネット上や雑誌のガンダム3DCG作例を見てると、だいぶ煮詰まってきてるようです。ある程度形状をプラモに近づけることができる人がでてくると、もうどれを見ても一緒に見えてしまうんですよね(涙) これも時代の流れでしょうか。レベルが上がること自体は良いことには良いんだけど、なんか、かつての模型誌のようなオレ節がCGにはあまり見られないのが残念。MGやPGに近づくことは、「正解」に近づくと同時に「コピー」に成り下がって行くというジレンマが。しかし、オレ節全開でもつめが甘かったり、方法論を説いては見たものの説得力に乏しい・・・ 例えば「面取りするとリアルだよ」と謳っていながら、バリバリ装甲板に不定形の穴をあけてみたり・・・ その工学的・デザイン的な意味まで果たして理解した上で処理しているのだろうか?と疑問に思うことがあります。MGとかPGみたいな良いお手本がでてきたり、バーチャルモデラーがでたり、ガンダムゲームがでまくったり、ガンダム系文献・資料も数え切れないほど出版されたり・・・ 情報洪水から飛び出した、ガツンと痛いCGを見てみたいと思う今日この頃。
 そんなわけで、この百式は自分にとっての「正解」探しをしてみました。 それは、自分の出来る範囲でですが、知識を総動員してちゃんとアカデミックな考証に沿った機体設計や細部設定を行ったり、かといって頭でっかちにならないよう劇中イメージから逸脱しない範囲で現実空間へトランスレーションしてみたり。ガンダムCGの現状に対する疑問符みたいなところがちょっとでも感じられたら幸い。レンダリング下手糞だけど(笑) 解説に無い個所も細かく仕様を決めてきちんと作成してます、良く見ると。
 しかし今 自分で評価してみると、まさにセンチネルに引きずられている感バリバリですね(^-^;; 勉強がたりません。また疑問に思いつつも、アニメ設定に従った点もあちこちあります(額カメラの緑レンズとか)。この辺はイメージと現実感のせめぎ合いなわけですが、結構遊べた充実感もあったりします。白をあちこちに置いたのはお気に入り(^-^)

 ちなみに解説文はテキトーです(笑) 時代背景もかなりコジツケ。あんまりアニメ見てなかったし。おかしいな?という設定があったら、教えていただければすぐ修正しますので、よろしくお願いしますm(_ _;m
旧トップ画像。白くて見にくい(笑)

◆製作環境
モデラー:  終作 六角大王Super2
レンダラー: EX-TOOLS Shade Professional R4
ペイントソフト:Zeit SuperKiD95 Value
ドローソフト: Microsoft PowerPoint97(笑)
製作機: NEC PC-9821St20
CPU:  PentiumPro 200MHz
VIDEO: 超高速Matrox Millenium(死)
RAM:  FP-DRAM 160MB
ネットワークレンダリング機:
  PentiumIII 500MHz x3
  PentiumIII 450MHz x3
  PentiumII 400MHz x1
◆参考文献
大日本絵画 Model Graphix Special Edition 「PROJECT Z」
大日本絵画 Model Graphix Special Edition 「MISSION ZZ」
大日本絵画 Model Graphix Special Edition 「GUNDAM SENTINEL」
大日本絵画 Model Graphix 各号
ホビージャパン ホビージャパン 各号
樹想社 復刻版 GUNDAM CENTURY
メディアワークス MS大全集98 MSエンサイクロペディア
主婦の友社 機動戦士Zガンダム(近藤和久センセ)

ネット上の百式リソースをいろいろ
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